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松本サリン事件 河野澄子さん死去 闘病14年の夫婦の絆

2008.8.5 12:26
このニュースのトピックス紛争・クーデター・革命
松本智津夫被告の死刑判決確定を療養中の妻・澄子さんに報告する河野義行さん=松本市内の療護施設=2006年09月15日(代表撮影)松本智津夫被告の死刑判決確定を療養中の妻・澄子さんに報告する河野義行さん=松本市内の療護施設=2006年09月15日(代表撮影)

 「口をもぐもぐするようになった」「刺激に反応するようになった」

 サリンの後遺症で、大脳はほぼ完全に収縮し、光も奪われ、意識不明のまま寝たきりだった河野澄子さん。松本サリン事件の第一通報者で夫の義行さんにとって、妻の一つ一つの反応や変化が、回復への希望の光だった。しかし、澄子さんが還暦を迎えた今年、その光は静かに消え、澄子さんは息を引き取った。

 犯人扱いされ、いたずら電話などに悩まされた義行さんは、勤め帰りに毎日のように療養施設に通い、澄子さんに話しかけ、マッサージをした。ベッドに横たわったままの澄子さんの存在こそが心の支えだった。平成13年、澄子さんが危篤状態に陥り、義行さんは勤務先を退社。講演活動などで全国を渡り歩く一方、介護を行ってきた。

 元ピアノ教師の澄子さんのために、義行さんはCDを25枚連続再生できる装置を病室に設置。「脳を刺激できれば」と大好きなジャズやヒーリングミュージックを絶え間なく流した。平成8年、東京都港区で開かれたコンサートに連れて行くと、澄子さんは波長の合うフレーズで目を大きく開き、首を横に振って音を求めるようなしぐさをして反応。義行さんは「初めての反応だ」と回復の兆しを喜んだ。

 プリンやゼリーを含ませた際、口をわずかながら動かすようになると、義行さんは「もぐもぐするようになったんですよ」と笑顔で話した。毎年6月に松本市長から見舞いを受けた際にも、澄子さんは目を大きく見開いて花束を受け取った。

 何度も医師から「ダメかもしれない」と言われ続けながらも、生き続けようとした澄子さん。意識はなくても、最後まで回復を願い続けた義行さんの思いを、澄子さんは痛いほど感じていたことだろう。

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松本智津夫被告の死刑判決確定を療養中の妻・澄子さんに報告する河野義行さん=松本市内の療護施設=2006年09月15日(代表撮影)
松本サリン事件の被害者、河野澄子さん(右)
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