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【視点】摘発は氷山の一角、ODAめぐる不正

2008.8.4 19:30
このニュースのトピックス企業・経済事件

 ODAをめぐる日本企業のリベート体質に、初めて司直のメスが入った。悪弊が続いてきた背景には、ODAを所管する外務省などより、商社やコンサルタントなど企業側が主導権を握る“日本式ODA”の実態がある。

 「リベートは発展途上国の文化で、必要経費。やめると仕事が取れない。どこの会社でもやっている」

 PCIの現地法人元社員は、こう証言する。

 ODAは、途上国から要請を受けて実施する「要請主義」が原則だ。援助の押しつけを避けるためだが、途上国には事業計画を立てるノウハウがなく、実際には商社などが事業を発案し、途上国政府に持ち込む。当然、持ち込んだ会社が受注するケースが大半を占める。形骸(けいがい)化した要請主義の見直しは、日本でも度々行われてきたが、実態は変わっていない。

 ODAのコンサルタント業の人件費は、直接人件費、間接人件費、技術費を積算して算出する。このうち、営業経費を含む間接人件費と技術費を合わせると、直接人件費の約2倍になる。PCIの場合、現場社員の人件費は月300万円だったという。捜査幹部は「実態を反映していない積算方法で得た事業費の一部がわいろに回っており、業者の腹は痛まない」と指摘する。

 平成16年にコスタリカでのODAでPCIの不正請求が発覚した際、国際協力機構(JICA)は「刑事告訴を検討中」としながら、指名停止処分にとどめた。検察関係者は「要請主義が名ばかりのため、外務省は商社やコンサル頼りになり、不正に対する監視も甘くなる」と語る。

 外務省やJICA、国際協力銀行のチェックの甘さがリベートを助長しており、事件はODA利権に巣くう不正の氷山の一角といえそうだ。(河合龍一)

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