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【主張】教員採用汚職 身内に甘い体質断ち切れ
大分県の教員採用をめぐる汚職事件が発覚し、県教育委員会の幹部らが逮捕された。優れた人材を選考すべき採用試験をゆがめる行為であり、断じて許し難い。
逮捕されたのは、いずれも教育関係者だ。女性小学校長が長男、長女を採用試験に合格させるため、現金や商品券を県教委参事に贈った。
当初は仲介役として逮捕された小学校教頭夫婦もまた、長女を合格させるため、同様に商品券をわいろにしていた。
教育者が金品を使ってわが子を教員にしようとは、にわかには信じ難い話だ。
事件は、県教委ナンバー2の教育審議監だった同県由布市教育長が逮捕される事態になっている。この元教育審議監は、在職当時、採用の実務を担当する部下の参事に不正を指示していた。
逮捕容疑以外にも複数の受験者から依頼を受けていたとみられ、点数を水増しするなど改竄(かいざん)した疑いもでている。
一部の県教委幹部が合否を左右できるような選考方法自体が問題だ。県教委には再発防止へ徹底した調査が求められる。
教員採用は、東京、大阪など大都市圏では、大量採用した団塊の世代が退職期を迎え、広き門になってはいる。
しかし、民間就職口が限られる地方では教員の人気は高く、社会的地位もある。平成19年度の小学校の教員採用試験の倍率をみると、全国平均4・6倍に対し、大分県は約12倍だ。
教員採用試験は筆記試験のほか、面接や実技により合否判定される。だが配点や評価基準を公表している教委は少ない。このため大分県の事件に限らず、教員採用をめぐっては「コネが必要」など縁故採用のうわさが絶えない。身内に甘く、閉鎖的な教育界の体質への不信感は根深い。
校長、教頭など管理職試験の問題が教育委員会の身内から漏れる事件も起きている。
公教育改革では教員の資質向上が欠かせない。採用試験では模擬授業など実技やボランティア経験を選考に加えるなど工夫もみられる。教育委員会によっては採用試験の面接官に外部から民間人を加えるなどの動きもある。
今回の事件は、こうした改革にも逆行しており、教育への信頼を損なうものだ。教育界全体として反省を促したい。