ニュース: 事件 RSS feed
【衝撃事件の核心】裏ガネ、口止め、幽霊会社−ウナギ偽装工作に見える「性善説崩壊」 (1/5ページ)
架空会社。奇妙な代金の流れ。茶箱に入れられた1000万円の札束…。中国産ウナギの偽装表示事件は、単なる偽装表示にとどまらず、経済事件ともみるべき異様なカラクリが表出している。警察捜査は全容を解明できるだろうか。この事件の直前には飛騨牛ブランド偽装が発覚、昨年から「ミートホープ」「白い恋人」「赤福」「船場吉兆」…と食品偽装が絶えない。「口に入るものにウソはつかない」という常識は今や昔、“性善説”は崩壊している。(菅原慎太郎)
中国ギョーザ? 謝罪にも“偽装”疑い濃厚の「魚秀」
「認識していました。申し訳ありません」
中国産ウナギの蒲焼きを「愛知県三河一色産」と偽装表示して販売していた水産物輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)。中谷彰宏社長は、農水省の表示是正指示を受けた後の6月25日、記者会見で頭を下げて謝罪し、偽装表示の動機をこう説明した。
「(中国)ギョーザ事件などで中国産の売れ行きが不振となり、在庫をさばきたかった」
一見、もっともらしい動機ではある。が、これを聞いた農水省幹部は怒りを露わにした。
「ギョーザ事件なんて理由は、うちの調査では出ていない。在庫はその前からあったはずだ!」
実は農水省は調査を通じ、ギョーザ事件発覚の今年1月30日以前から魚秀が大量の在庫を抱え、中谷社長や同社福岡営業所長ら幹部が、偽装販売を準備していたことを確認済みだった。中谷社長自身も農水省にそう認めていたというのだ。
一見素直に謝罪したかのようだったが、あたかもギョーザ騒動での“風評被害”に理由を押しつけた中谷社長。謝罪の中身すら“偽装”をほどこした魚秀の体質に農水省は激怒したのだ。
「事実を隠して、同情を買い、事なきを得ようとしたとしか思えない」
農水省関係者は怒りを隠さない。
口座記録が残らぬようカネを流していた
魚秀の偽装の異様さは、手の込んだその「手口」だった。
魚秀は中国産ウナギの蒲焼きを「愛知県三河一色産」と表示して、256トン分を水産大手「マルハニチロホールディングス」の子会社「神港魚類」(神戸市)に販売し、そのうち49トンを市場を流している。
その際、産地を偽装するだけではなく、製造者の欄には「(有)一色フーズ」という架空会社の名前を記載していた。しかも「愛知県岡崎市一色町字一色119−20」という架空の住所も表示していた。
農水省が初めに偽装情報を入手したのは今年5月23日ごろである。兵庫農政事務所の食品表示110番に「一色産の蒲焼きが安く売られている。一色フードという会社を調べたが、見あたらない」という情報提供があったのだ。これは、内部告発ではなかった。

















