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【疑惑の濁流】北の核に日本製「真空ポンプ」 キーワードは「台湾」だった (2/3ページ)
「台湾経由での北への物資流出の実態を解明したい。北は今後も台湾に狙いを定めて、組織的に拠点を構築する可能性が高い」
公安筋はそう指摘する。
「日本」厳しく、「台湾」を“バイパス”に
「日本のハイテク製品や高度技術情報が台湾経由で北に渡っている実態について、警察当局が本格的に把握したのは“あの事件”がきっかけだった」
公安筋はこう話す。
“あの事件”とは、平成18年8月に摘発された凍結乾燥機の不正輸出事件のことである。
東京にある対北朝鮮貿易専門商社の代表を務めていた在日朝鮮人の男が、外為法で北朝鮮向けの輸出が規制されている「凍結乾燥機」を、無許可で台湾に輸出。物資は最終的に北朝鮮に渡っていたことを公安当局は確認した。
「凍結乾燥機は、個体を急速に凍結、水分を取り除いて乾燥、保管する装置で、細菌培養など生物兵器の研究、開発に転用できる。北朝鮮には輸出できない貨物にリストアップされ、規制されている」(警察幹部)
経済産業省幹部もこう述懐する。
「通常の企業であれば、この手のきわどい貨物の輸出の際は、間違って輸出して業務停止などの行政処分を受けることを恐れ、何度も経産省に足を運んで輸出先の地域やスペック(仕様、規格)などを確認するものだが、この企業は最終荷受け地が北朝鮮であることを知りつつ、それを隠して輸出した確信犯だった」
在日朝鮮人が多く住む日本はこれまで、北朝鮮にとって、思うままに物資調達できる拠点として機能してきた。しかし反テロ警戒網の強化で水際の取り締まりが厳しくなり、調達ラインは機能しづらくなってきた。
そこで構築されたのが、台湾という“バイパス拠点”だとみるべきなのだ。
政府関係者が強調する。
「日朝間では輸出規制されている品物でも、日台間では規制されていないか、またはかなり緩いケースがあることを北は知っている。朝台貿易が増加し、輸出貨物が増大していることも、密輸には好都合なのだ」
各国の治安機関は、台湾から中国を経由して北に向けた精密制御機械部品や銃、砲弾の加工に必要な精密旋盤などの不正輸出事件を確認している。
北朝鮮は、こうした迂回輸出に利用する台湾企業にあらかじめ資本を注入していた。
「北朝鮮は、台湾を調達拠点化するために大きな初期投資をしており、今後も台湾拠点工作から撤収しないとみるべきだ。今後、台湾が北への闇の物流拠点として本格的に機能し始める前に、包囲網を狭めていく必要がある」
これが公安筋の見解だ。





