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【独裁の果て〜NOVA元社長逮捕】(上)「これでおれも銀行頭取かよ」 (1/2ページ)
平成13年末に破綻(はたん)した石川銀行の不正融資事件に絡み、金沢地検の取り調べを受けたNOVA顧問(当時)の、26ページにわたってつづられた供述調書がある。同行から増資への協力を懇願されたNOVA元社長、猿橋(さはし)望(のぞむ)容疑者(56)が、「ワンマン社長」らしく鶴の一声で承諾し、得意絶頂となっている姿が生々しい。
13年4月中旬、大阪・心斎橋のNOVA統括本部11階の社長室。猿橋容疑者は同行の頭取、専務の2人と向きあった。2人は「好きなポストを差し上げますから、何とか65億円を貸してほしい」と懇願した。当時、同行は増資70億円分の引き受け先が見つからず、切羽詰まっていた。
困惑した猿橋容疑者は2人を応接間に下がらせ、顧問に「大丈夫かな」と相談した。顧問は「やめた方がいいですよ。もしやるとしても弁護士や公認会計士を入れて精査してからにしなきゃ」と進言。しかし、猿橋容疑者は頭取の言葉を信用したのか、「よし貸そう。銀行だから心配いらんだろ」と融資を決断した。
頭取らは喜びのあまり、「NOVA銀行と思ってもらって結構です」などと持ち上げた。2人が帰った後、慢心した猿橋容疑者は冗談を言って笑いとばした。
「これでおれも銀行の頭取かよ」
融資後、1カ月を経過しても、65億円が戻る気配はなかった。事態に気づいた猿橋容疑者は、顧問に「このままだと株主総会が開けない。何とかならないか」と泣きついた。猿橋容疑者自らも、取り立てに金沢へ出向く騒ぎになった。
NOVA関連各社は、同行から250億円超の巨額融資を受ける見返りに、融資の一部約120億円を増資名目で銀行側に還流させる「見せかけ増資」に手を染めていた。不正な取引にもかかわらず、猿橋容疑者が「250億円を融資してくれるなら、増資を引き受けよう」と明言していたことが、供述調書にも記されている。





