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【疑惑の濁流】違法派遣はびこらせた“経営哲学” 問われるべきは「折口流」 グッドウィル事件 (1/3ページ)
日雇い派遣大手「グッドウィル」(GW、東京)の二重派遣事件では、支店幹部らが職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)幇助などの疑いで逮捕され、違法な派遣が常態化していた実態があぶり出された。背景には、グッドウィルグループ(GWG)に君臨し、時代の寵児ともてはやされた折口雅博元会長の経営哲学がある。規制緩和を利用した折口氏の拡大路線はグループに繁栄をもたらす一方、順法意識の低さなど組織の凋落を招いた。刑事責任は及ばなくとも、問われるべきはトップの姿勢にある。が、そのトップは今ごろ…。(森浩)
「十訓」を胸に刻み 美しい理念と裏腹の現場
GWGには「十訓」と呼ばれる“グループ訓”がある。
「謙虚さを思いやりを持て」
「正しくないことをするな」
「守りは負けの始まりなり」
折口氏の経営哲学をまとめたものだ。
社員はこの社是を胸に刻んで、仕事に臨むよう求められた。
「毎朝、大声で唱和しましたよ。いま振り返るとジョークとしか思えない内容ですが」
元GW社員は力なく笑う。
だが、こうした美しい理念とは裏腹に、現場では「正しくないこと」が横行していた。
「支店間での売り上げ競争が熾烈だった」
警視庁保安課に逮捕されたGW企画管理部事業戦略課長、上村泰輔容疑者(37)ら4人は、逮捕される前から、利益至上主義の厳しさを捜査員に吐露していた。
「愚痴ともつかない供述がいくつも口を突いて出た」(警視庁捜査員)
警視庁の調べによると、上村容疑者らは平成18年5月から昨年6月にかけ、二重派遣されると知りながら、東和リース(東京都港区)に労働者延べ27人を派遣した疑いが持たれている。
事件の背景として指摘されているのが、GW全体を覆っていた徹底した「功利主義」だ。実際、上村容疑者らは逮捕後の調べに「東和は大口で支払いもよい安定顧客だった。本社からのノルマが厳しく、二重派遣と分かっていたが(東和リースからの派遣の依頼を)断れなかった」と、供述している。
「支店長クラスの競争は激しかった。支店長の口癖は『なんでも良いから仕事を取ってこい』だった。『守りは負け』という空気は強烈だった」
都内の支店に勤務していた別の元GW社員は振り返る。
強烈な拡大路線は、もうひとつの弊害である「人材難」を生み出した。







