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【衝撃事件の核心】親、テレビ、誇示、ゲーム感覚、苦境…秋葉原通り魔事件 識者はこう見る(上) (1/5ページ)

2008.6.21 10:55
このニュースのトピックスネット犯罪
加藤智大容疑者加藤智大容疑者

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)は、犯行動機から事件の契機、いざ事件に向かう“実況中継”まで携帯サイトの掲示板に書き込んでいた。加藤容疑者の行動と心理は特異なものなのか。それとも、暴走する他の若者と同じなのか。また、再び悲劇を発生させない秘策はあるのだろうか。専門家の考え方を2回にわたって掲載する。

 「親の背を見ず、テレビを見る世代の弊害。ワイドショーに出て英雄気取りの勘違い犯行だ」

 【上智大学の福島章名誉教授(精神医学)】

 彼の場合は、インターネットに依存をしたから犯行に及んだわけではなく、孤独で受け止めてくれる人がいなかったから、ネットに依存せざるを得なかったということだろう。

 自分の思っていることを何でも書き続けているが、まるで独り言のようだ。歪んだ心境を語っても、誰も軌道修正をしてくれない。誰かに相談できればよかったのだが。

 もともとの性格の問題もあって、ネットに逃げ込んでしまったのだろうが、彼は派遣社員だった。相談できる上司もいなければ、同僚もいない。ずいぶんと孤独だったのだろうと思う。

 ネットにより攻撃性が高まるかと聞かれれば、この場合はノー。ネットは匿名性が高いから、モラルが下がって、攻撃的な発言が増えるというのはある。たとえば西鉄バスジャック事件を起こした少年は、掲示板のやりとりの中で、次第にあおられて犯行に及んだ。

 だが、彼の場合は、ネットでも誰も相手にしてくれなかった。反応のないまま、単なる独り言のように書き込みをしているだけだ。書き込みをしていなかったら、あの犯罪がなかったのかと思えば、それはないだろう。

 携帯サイトは彼にとって「はけ口」ではあったが、気持ちをすっきりさせるほどではなかった。

 通り魔とは都会でのみ起こりうる「都市的犯罪」だ。名前も分からない人が大勢いて、初めて「無差別の殺人」が成立する。

 田舎であれば、みんな知り合いで、殺す方としても対象が誰か分かって殺すわけだから、無差別というのは起こりえない。

 ここでいう「都会的」な状況というのは何も地理的なことに限ったわけではなく、最近では会社でも工場でも、極めて都会的な状況が起きている。物理的にはたくさんの人がいるが、精神的にはバラバラ。互いに誰かも知らず、会話もないという状況が往々にして起きている。お互い人間関係が非常に遠くなっている。

 こうした都会的な環境のなか、コミュニケーションをとろうと思って、ツールのみが発達したが、ネットにしても携帯電話にしても、実際の距離はかなり遠い。人対人の接触がとぼしくなる。解決にはコミュニティーを再建するなどしかないのが難しいところだ。

 彼は自分のロッカーにつなぎがないなどという些細なトラブルを「いじめだ」「解雇する気では」などと被害妄想的に受け止め、自分の人生に絶望した。社会に対する憎しみを募らせて無差別殺人に及んだ。

これまでの【衝撃事件の核心】はこちら

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加藤智大容疑者
加藤智大容疑者
万世橋署から送検される加藤容疑者(真ん中)=10日午前10時21分、東京・千代田区(撮影・緑川真実)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件現場近くに設けられた献花台に手を合わせ、犠牲者の冥福を祈る福田首相=19日午後1時52分
事件から4日経った現場近くの献花台では、学生が手を合わせに来る姿も見られた=12日午前、東京・外神田(中川春佳撮影)
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式の準備が音楽が流れる中行われた=12日午前、東京・台東区の寛永寺(小野淳一撮影)
歩行者天国が中止となった秋葉原の歩道は、大勢の人で混雑していた=15日0時38分、東京・秋葉原
献花台に手を合わせる人たち=14日午後、東京・秋葉原
武藤舞さんの告別式を終え、涙ぐむ参列者=12日午後、東京・上野の寛永寺
武藤舞さんの告別式で、涙ぐみながら葬儀場を出る参列者=12日午前、東京・上野の寛永寺
事件現場のすぐ傍に供えられていた果物や仏様=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件現場となった道路のすぐとなりにも、献花台と同様大量の花が供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件から4日経った現場近くの献花台には、被害者の武藤舞さんに充てたメッセージと共に多くの花が供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件現場の近くに設置された献花台には、被害者の武藤舞さんへ宛てたものなのか、ロックバンド「コールドプレイ」のCDが供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
2006年に東京・お台場で行われたコンクールでステージに立つ武藤舞さん(中央)
秋葉原通り魔事件関連。殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭く参列者 =12日、午前、東京・台東区の寛永寺 (小野淳一撮影)
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭きながら葬儀会場を後にする参列者 =12日、午後
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭きながら葬儀会場を後にする参列者 =12日、午後
東京・上野の寛永寺で行われた武藤舞さんの告別式=12日午前
秋葉原の無差別殺傷事件で犠牲になった川口隆裕さんの遺影が飾られた祭壇=11日午後、千葉県流山市(代表撮影)
東京・秋葉原の通り魔事件の現場で手を合わせる女性=11日午前
秋葉原通り魔事件を受けて開かれた関係閣僚会合であいさつする町村信孝・官房長官(右から2人目) =11日午後0時半すぎ、首相官邸(酒巻俊介撮影)
事件から3日経った11日午前にも献花が絶えることはなかった=11日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場に設けられた献花台には花束を供えに訪れる人が絶えない=10日午後6時40分
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