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【衝撃事件の核心】未熟、心の砂漠、軽さ、教育…秋葉原通り魔事件 識者はこう見る(下) (1/5ページ)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)はエリート人生から転落、家族や社会と距離を置く中で、一層の孤独感や疎外感を募らせ、事件を起こしたとされる。だが敗北や孤独は、少なからず誰もが経験し、感じている。なぜ、加藤容疑者だけが一線を越えてしまったのか。
「大人になりきれなかった男が、肥大化した自我を抑えられず凶行へ走った」
【帝塚山学院大の小田晋教授(犯罪精神医学)】
私はこうした事件を「引きこもり突発型事件」と呼んでいる。引きこもりに近い生活をしながら、突然凶行に及ぶ。
この容疑者の場合には、確かに派遣社員として就職していたが、彼の住んでいた社宅では周辺住民が誰も「知らない」と言っている。引きこもりに近い状況だったように推察される。
ただ、メールを通じ外界とのつながりはあった。彼はいわゆるオタクで、オタクの集合場所に行って事件を起こした。
もともと学校の成績もよく、それなりの自負はある。それが派遣社員になり、昇進も昇給もない生活になり、将来を封じられた結果となった。
自己評価が上がる余地もなく、一方で、こうした犯人は、たいていナルシスト的傾向があるから、おそらく自分の才能や能力に自負があったのだろう。それを認めてくれない、生かしてくれない社会に強い不満を持った−というのが今回の事件だろう。
逆恨みとも報復ともいえるが、彼は大きなことをやって有名になることで自己実現を果たそうとしたのではないか。
酒鬼薔薇事件のときには、彼を尊敬、崇拝した少年により、西鉄バスジャック事件が起きた。大阪教育大付属池田小事件の犯人も法廷で、「セレブの子供を殺せば、報道されて模倣犯が出る可能性があると思った」と陳述していた。
今回の事件は池田小事件の犯行と同一の日に行われた。彼が「記念日」と考えていた可能性もあるのではないか。
こうした犯行は「劇場型犯罪」という。今回はたまたま、その舞台に秋葉原が選ばれたというだけで、どこでも起きる可能性はあった。
加藤容疑者は犯行を演劇と考え、何度も構想していたと思う。だからこそシナリオに沿って綿密な準備もしたし、犯行予告もした。「秋葉原に着いた」などとリアルタイムでの書き込みもした。これから始まるという告知をするやり方は劇場型の典型だ。
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