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【衝撃事件の核心】未熟、心の砂漠、軽さ、教育…秋葉原通り魔事件 識者はこう見る(下) (1/5ページ)

2008.6.22 14:44
このニュースのトピックス秋葉原通り魔事件
起訴前の精神鑑定で「責任能力あり」と認定された加藤被告。その凶行は連鎖していった起訴前の精神鑑定で「責任能力あり」と認定された加藤被告。その凶行は連鎖していった

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)はエリート人生から転落、家族や社会と距離を置く中で、一層の孤独感や疎外感を募らせ、事件を起こしたとされる。だが敗北や孤独は、少なからず誰もが経験し、感じている。なぜ、加藤容疑者だけが一線を越えてしまったのか。

 「大人になりきれなかった男が、肥大化した自我を抑えられず凶行へ走った」

 【帝塚山学院大の小田晋教授(犯罪精神医学)】

 私はこうした事件を「引きこもり突発型事件」と呼んでいる。引きこもりに近い生活をしながら、突然凶行に及ぶ。

 この容疑者の場合には、確かに派遣社員として就職していたが、彼の住んでいた社宅では周辺住民が誰も「知らない」と言っている。引きこもりに近い状況だったように推察される。

 ただ、メールを通じ外界とのつながりはあった。彼はいわゆるオタクで、オタクの集合場所に行って事件を起こした。

 もともと学校の成績もよく、それなりの自負はある。それが派遣社員になり、昇進も昇給もない生活になり、将来を封じられた結果となった。

 自己評価が上がる余地もなく、一方で、こうした犯人は、たいていナルシスト的傾向があるから、おそらく自分の才能や能力に自負があったのだろう。それを認めてくれない、生かしてくれない社会に強い不満を持った−というのが今回の事件だろう。

 逆恨みとも報復ともいえるが、彼は大きなことをやって有名になることで自己実現を果たそうとしたのではないか。

 酒鬼薔薇事件のときには、彼を尊敬、崇拝した少年により、西鉄バスジャック事件が起きた。大阪教育大付属池田小事件の犯人も法廷で、「セレブの子供を殺せば、報道されて模倣犯が出る可能性があると思った」と陳述していた。

 今回の事件は池田小事件の犯行と同一の日に行われた。彼が「記念日」と考えていた可能性もあるのではないか。

 こうした犯行は「劇場型犯罪」という。今回はたまたま、その舞台に秋葉原が選ばれたというだけで、どこでも起きる可能性はあった。

 加藤容疑者は犯行を演劇と考え、何度も構想していたと思う。だからこそシナリオに沿って綿密な準備もしたし、犯行予告もした。「秋葉原に着いた」などとリアルタイムでの書き込みもした。これから始まるという告知をするやり方は劇場型の典型だ。

これまでの【衝撃事件の核心】はこちら

このニュースの写真

起訴前の精神鑑定で「責任能力あり」と認定された加藤被告。その凶行は連鎖していった
送検される加藤智大容疑者=午前10時29分、千代田区大手町 
 犯行2日前、福井市のミリタリー輸入雑貨販売店で、凶器のナイフを購入する加藤智大容疑者=6月6日
加藤智大容疑者
加藤智大容疑者
献花台に手を合わせる人たち=14日午後、東京・秋葉原
東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場を訪れ、献花台前で犠牲者の冥福を祈る自民党の麻生太郎前幹事長(左)=13日午前
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭きながら葬儀会場を後にする参列者 =12日、午後、東京・台東区の寛永寺 (小野淳一撮影)
武藤舞さんの告別式を終え、涙ぐむ参列者=12日午後、東京・上野の寛永寺
武藤舞さんの告別式で、涙ぐみながら葬儀場を出る参列者=12日午前、東京・上野の寛永寺
武藤舞さんの告別式で出棺を見送る参列者=12日午後0時21分、東京・上野の寛永寺
事件現場のすぐ傍に供えられていた果物や仏様=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件現場となった道路のすぐとなりにも、献花台と同様大量の花が供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件から4日経った現場近くの献花台には、被害者の武藤舞さんに充てたメッセージと共に多くの花が供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件現場の近くに設置された献花台には、被害者の武藤舞さんへ宛てたものなのか、ロックバンド「コールドプレイ」のCDが供えられていた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件から4日経った現場近くの献花台には、学生が手を合わせに来る姿も頻繁に見られた=12日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
2006年に東京・お台場で行われたコンクールでステージに立つ武藤舞さん(中央)
秋葉原通り魔事件関連。殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭く参列者 =12日、午前、東京・台東区の寛永寺 (小野淳一撮影)
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭きながら葬儀会場を後にする参列者 =12日、午後
殺された武藤舞さんの葬儀場では告別式が行われた。涙を拭きながら葬儀会場を後にする参列者 =12日、午後
東京・上野の寛永寺で行われた武藤舞さんの告別式=12日午前
秋葉原の無差別殺傷事件で犠牲になった川口隆裕さんの遺影が飾られた祭壇=11日午後、千葉県流山市(代表撮影)
東京・秋葉原の通り魔事件の現場で手を合わせる女性=11日午前
事件現場の近くに設置された献花台には千羽鶴が供えられ、事件から3日経った11日午前にも献花が絶えることはなかった=11日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
事件から3日経った11日午前にも献花が絶えることはなかった=11日午前、東京都・外神田(中川春佳撮影)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場に設けられた献花台には花束を供えに訪れる人が絶えない=10日午後6時40分
両刃で殺傷力の高いダガーナイフ=東京・上野のナイフ専門店
販売されているダガーナイフ=10日午後4時46分、大阪市北区梅田のナイフ店(甘利慈撮影)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場に設けられた献花台に手を合わせる人たち。後には大勢の人が順番を待っていた=10日午後3時5分
事件現場に設けられた献花台には、事件から2日たった今日も多くの人が花を手向け、手を合わせていた

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