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【正論】凶悪犯罪多発の3つの背景 犯罪心理学者、聖学院大学客員教授 作田明 (1/3ページ)
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優秀だが挫折も経験
JR常磐線荒川沖駅で、8人が通り魔に刺され、1人が死亡、7人が重軽傷を負うという悲惨な事件が起き、それにひき続いて18歳の少年による駅ホームからの突き落とし殺人事件、都内マンションでの女性バラバラ殺人事件など、凶悪な事件が相次いで発生した。
その特徴は加害者と被害者との間に全く関係がなく、金銭、怨恨など通常心理学上合理的な動機がほとんど存在しないことであった。
近年欧米、特に米国を中心に無差別的殺人が増加する中で、いわゆる無動機的犯罪についての心理的メカニズムの探究が進んできている。洋の東西を問わず、いわゆる無動機的犯罪にはいくつかの共通点がある。
犯人はほとんどが男性の単独犯である。若い人が多く、単身者であるか、家族と同居していてもあまり接触せずに孤立した生活を送っている人々が大多数である。
米国では、犯罪一般については黒人など有色人種の比率が高いが、こうした凶悪犯罪についてはむしろ白人の発生頻度が高くなっている。家庭環境については中流家庭出身者が多く、もともと貧困家庭に育った者は少ないと言ってよい。
犯行者には無職の者が多いが、小、中学校の成績は必ずしも悪くないし、中には非常に優秀であった者も少なくない。高等教育を受けるようになるまでに挫折した体験の持ち主が多く、そのために不本意な就職をしたり、あるいはほとんど定職につけなかった者が少なくない。
小さなストレスに弱い
こうしたプロフィルはそのまま彼らの問題点を浮き彫りにすることになるだろう。
彼らの多くは比較的ふつう以上の知的資質を持って生まれ育っており、経済的にも困窮しているわけではなく、長男であるケースも多いから幼い頃から両親の期待を担って成長していることが多い。

