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【寄稿】板橋功・公共政策調査会第一研究室長「テロ防止、国民の意識と協力不可欠」 (3/5ページ)
■鉄道・大規模集客施設における対策
大都市の地下鉄などの公共交通機関や大規模集客施設等においては、すでに事業者による準備が進められているが、そろそろ、利用者に対してサミットや重要閣僚会議などの開催とそれに伴う警戒・警備の強化についての周知、特にサミットや重要閣僚会議の開催を踏まえた不審者、不審物発見への協力の呼びかけを実施する必要がある。特に、新幹線については、高速で大量の人員を輸送することから、万が一テロ事件が発生した場合には、被害が甚大となる可能性もあることから、一時的な手荷物検査の実施について検討する必要があるかもしれない。
また、これまでに世界各国で開催されたサミットやオリンピックなどの国際的な行事(ナショナル・イベント)の際には、爆弾探知犬等の警備犬が積極的に活用され、その有効性が認められており、ニューヨークやロンドンの鉄道では、平時から爆弾探知犬が活用されている。鉄道や大規模集客施設においては、利用者の手荷物を全て検査することは難しいことから、警備犬の積極的な活用が一つの方策となるものと考える。
■「市民の目」の活用を
今回のサミットや一連の閣僚級会議が無事に開催できるかどうかのカギを握るのは、「国民の意識(市民の目)と協力」であるといっても過言ではない。また、万が一発生した場合に冷静な対応を行うためにも国民の意識が不可欠である。
サミット期間中の不要不急の外出を避けたり、警備(交通規制など)への協力、あるいはテロ事件が発生した場合には外出や交通機関の利用を避けるなどの心構えも必要である。これは、混乱を防止するとともに被害を低減し、自らの安全を確保することにもなる。ゆえに、関係当局は国民に向けて、さらなる啓発に努める必要がある。
とりわけ、現在のテロを未然に防ぐためには、市民の目が極めて重要である。地下鉄サリン事件直後を思い起こしてほしい。鉄道利用者のほとんどは、「不審物がないか、不審者がいないか」と棚の上や周囲を見回して注意を払っていた。サミットに向けて、このような意識を高める必要がある。そこで一つの提案であるが、鉄道各社は国土交通省の要請により、「私たちもテロ防止に協力しています」と書かれたバッジを作成し、駅員や売店の従業員などに着用させているが、それぞれ各社によりデザインが異なり、必ずしも利用者などに認識されていない。しかしながら、これは非常に良いアイデアであり、サミットに向けて、テロ対策を啓発するような統一したデザインの缶バッジを政府が作成し、警察官や自治体関係者、鉄道や集客施設の関係者や警備員に広く配布して着用してもらうことで、注意喚起を行ってはいかがだろうか。
公共交通機関や大規模集客施設などにおいては、利用者一人一人が不審者や不審物に注意を払い、警戒を行うことがテロを防ぐための大きな力となるし、それは自らの安全にもつながることでもある。 (いたばし・いさお)

