ニュース: 事件 RSS feed
PCI元会長、過去にも資金工作6億円 グループ内で架空契約
大手建設コンサルタント会社「PCI」の特別背任事件で、同社元会長の荒木民生容疑者(71)が平成13年以降、グループ会社間の架空契約などによって「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM)に少なくとも約6億数千万円の資金を移す工作を行っていたことが5日、関係者の話で分かった。グループ会社の利益をPPMに移すのは遺棄化学兵器処理事業をめぐる特別背任事件と同じ構図で、東京地検特捜部は荒木容疑者のグループ私物化を裏付ける事実とみて、不透明な資金の流れを調べている。
関係者によると、荒木容疑者はグループ中核会社の「パシフィックコンサルタンツ」(PCKK)とPPMの社長を兼務していた14年10月、PCKKで立ち上げた「プロジェクトファイナンス事業」に関し、PPMから役員と社員2人をPCKKに出向させる架空の業務契約を締結。毎年10月からの1年契約で、1年目の14年は1億2000万円、15年は1億円、16年以降は6000万円を人件費名目でPCKKからPPMに移した。荒木容疑者は17年に両社の社長を退任したがその後も架空契約は続けられ、昨年9月に打ち切られるまで計4億円が移されたという。
また荒木容疑者は13年、PCKKが所有していた岐阜県高山市の土地(約2万5000平方メートル)と建物を大阪市内の学校法人に売却した際、未回収となった数億円の債権について「回収してやるから利益の一部をPPMに回せ」と要求。PPMの幹部に債権回収を担当させ、未回収金のうち約2億数千万円を手数料などの名目でPPMに移したという。PCKK関係者は「PCKKの債権だからPCKKが回収すべきで、PPMが介入する必要はなかった。荒木容疑者の独断による利益移管だ」と話している。
荒木容疑者は13年に長男の経営する会社が多額の負債を抱えて倒産したため、長男の借金返済に追われていた。15年には持ち株会社社長の立場を利用し、同社からPPMに10億円を独断で融資。さらに借金返済のため、PPMを使って沖縄のホテル建設事業に乗り出すなどしており、今回新たに判明した架空契約や債権回収による資金工作も、PPMの事業資金調達のためだったとみられている。
荒木容疑者は16〜17年、遺棄化学兵器処理事業をめぐり、PCIからPPMに不要な事業委託費約1億2000万円を不正支出させ、PCIに損害を与えたとして逮捕された。