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事後承認で10億融資 PCI元会長
大手建設コンサルタント会社「PCI」の特別背任事件で、同社元会長の荒木民生容疑者(71)が持ち株会社社長だった平成15年、取締役会の承認を得ずに、逮捕容疑となった不正支出先の「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM)に10億円の融資を実行していたことが、関係者の話で分かった。融資は事後承認の形で行われており、特捜部は荒木容疑者が今回の特別背任事件と同様、グループトップの立場を利用して資金難だったPPMの経営改善を図ったことを裏付ける事実とみて、資金の流れの解明を進めている。
荒木容疑者らは平成16〜17年、遺棄化学兵器処理事業をめぐり、PCIからPPMに不要な事業委託費約1億2000万円を不正支出させ、PCIに損害を与えた疑いが持たれている。
関係者によると、荒木容疑者はその前年の15年、社長を務めていたグループの持ち株会社「パシフィックコンサルタンツグループ」(PCIG)から、自身が経営するPPMへの10億円融資を計画。10億円もの大型融資は取締役会の承認を得るのが通例だが、複数の取締役の不在を理由に取締役会を開かず、「緊急」と称した稟議書を取締役に回し、事後承認の形で融資を実行したという。
PCIGがグループ会社に融資するには銀行の承認が必要だったが、荒木容疑者は担当者に「銀行には言うな」と口止めしていたという。当時のPCIG会長は「私の海外出張中に荒木氏が勝手に10億円を持ち出した」と話している。
融資された10億円は、荒木容疑者が多額の負債を抱えた長男のために乗り出した沖縄・石垣島のホテル建設事業や会社の運転資金などに充てられたという。
荒木容疑者は逮捕容疑となった取引でも、資金難だったPPMの経営改善を図るためPCIに不正支出させており、特捜部は事件の背景に、荒木容疑者のグループ私物化があるとみている。