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野村証券の経営直撃 インサイダー取引問題
このニュースのトピックス:不祥事
中国人社員によるインサイダー取引問題は、野村証券やその持ち株会社である野村ホールディングス(HD)の経営を根幹から揺るがすことは必至だ。
経営の最重要事項であるM&A(企業の合併・買収)情報が不正に利用されたことで、証券市場の担い手としての野村の信用力は地に落ち、顧客による取引中止や損害賠償請求も見込まれる。平成9年の総会屋への利益供与事件以降、社内管理体制の強化を最優先して進めてきた野村だが、これまでの取り組みの甘さを露呈することになった。
野村は、4月1日付で社長を含む経営首脳を一新する大幅な役員人事を断行し、競争力向上を主眼にした攻めの経営に大きく舵を切ったばかり。M&A仲介はその中核事業の一つと位置づけ、経営資源を集中する意向を示していた。
しかし、新興国のなかには、資本市場が成熟した欧米に比べ、商慣行や法令順守意識が国際水準に達していない国もある。今回の問題は新興国開拓に向け、社員の多国籍化に対応した法令教育や内部管理の整備が十分に追いついてなかったことを浮き彫りにした。
1日に就任したばかりの渡部賢一新社長は22日の会見で、「開き直るわけではないが、システム上の問題はなかった」と述べたが、それでもインサイダー取引を防げなかったことは問題の根深さを物語る。日本も本格的なM&A時代を迎えたなかで、証券界の盟主が起こした事件の影響は計り知れない。