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【厚労省のカルテ】(7)日医・族議員・官僚の三すくみ (1/2ページ)

2008.4.19 22:17
このニュースのトピックス薬害肝炎問題

 「紳士的になった。昔に比べて協調的になった」。坂口力元厚生労働相が、大臣当時の日本医師会(日医)との関係をそう振り返る。

 かつては『ケンカ太郎』と呼ばれた武見太郎会長に牽引(けんいん)され、診療報酬引き上げなど厚生行政に隠然たる影響力を持ってきた日医。時に激しい対立はあったが、厚労省も自民党厚労族議員も、日医の機嫌をうかがいながら厚生行政を進めてきた過去がある。開業医を中心にした全国の医者の協力なしには、厚労行政が進まないからだ。

 力関係が決定的に変わったのが平成14年。坂口厚労相時代だ。高い支持率を背景に、医療制度改革に手をつけた小泉内閣のもとで、日医は初めての診療報酬引き下げ(2・7%)を飲まされた。

 「そりゃ、すごい反発があった。日医幹部が国会や厚労省に乗り込んで『こんなバカなことはない』と詰め寄った」と坂口元厚労相。しかし、その後は日医が小泉内閣に距離を置いたこともあって、「激しい声が厚労省に届くことはなくなった」という。

     ■

 日医が再び、政府・与党との関係構築に舵を切り直したのは18年の会長選。政府・与党との「融和路線」を打ち出した唐沢祥人氏が当選してからだ。今年4月1日に再選を果たした唐沢会長は、再選理由を「いままでのやり方を続けなさいと支持があった」と路線堅持を強調。政府の社会保障費削減方針について「流れを食い止めないと医療が崩壊する」と転換を訴えた。

 ただ、日医の与党への発言力が元に戻ったわけではない。昨夏の参院選では、組織内候補が落選、組織の弱体化が露呈した。

 日医同様に存在感が薄くなっているのが厚労族議員だ。かつては厚生相経験者でもあった橋本龍太郎元首相など“四天王”と呼ばれるほどの力と知識を持つ議員が、にらみを効かせた。「族議員の存在には批判もあるが功もある。役所の視線とは異なるところから厚労行政に知恵を与えてくれる存在だから」という厚労省幹部もいる。

 しかし、旧田中派の弱体化や、16年に東京地検特捜部が摘発した「日本歯科医師連盟事件」によって政界と医師の癒着の闇が暴かれたこともあって、厚労族議員の存在感は大きく失墜した。

 昨年末から今年にかけて大きく動いた薬害肝炎問題。最終局面でこそ与党肝炎問題プロジェクトチームの活躍が目立ったが、中盤まで1人目立っていたのは、「とりわけ自分は厚労族ではない」と公言する舛添要一厚労相だった。

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