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【厚労省のカルテ】(6)社保庁の三層構造と厚い壁 (1/2ページ)
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1月23日の総理官邸。会議が進むにつれ、委員たちの舌鋒(ぜつぽう)が鋭くなっていった。「皆さん方に問題はないのか」「国民の目から見たら、わがままとしか思えない」
3階の会議室で開かれていたのは「年金業務・組織再生会議」(座長、本田勝彦・日本たばこ産業相談役)。社会保険庁の2つの労組幹部からのヒアリングがテーマだった。会議室奥に座った労組幹部らは「混乱を申し訳なく思う」としながらも、言い訳に終始。委員らとの認識の違いが鮮明化するばかりだった。
社会の激しい不信と批判を招いている年金問題。背景に横たわるのが、厚労省のキャリアとノンキャリアの間にある壁の存在。とりわけ、外局の社会保険庁にある「三層構造」と呼ばれるいびつな人事システムが抱える病巣は深い。
正職員だけで約1万7000人の巨大組織。束ねるのは、30人ほどの厚生労働省から出向するキャリア官僚(国家公務員I種試験合格者)。彼らの赴任期間は2年ほどだ。次いで約800人の本庁採用のノンキャリア組。そして都道府県単位で採用される地方採用のノンキャリア職員。お互いに交流はない。
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三層間の壁の厚さを、厚労省OBは「多少頑張っても出世できないため、職場環境や小さな権益に喜びを見いだすしかない」と証言する。確執が先鋭化し「キャリア官僚の着任拒否」「幹部の地方視察拒否」となったこともあるようだ。
内向きに団結していったノンキャリアたちは組合も組織し、「独立国」を築き上げた。「1日のキーボードへの打ち込み5000タッチ以内」といった「覚書」を結び、労働環境を手厚く保護しようとする姿勢は、年金記録のぞき見や、ずさんな記録管理といった不祥事の温床となった。