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【衝撃事件の核心】震災、いじめ、進学…翻弄された18歳の逃避行の果て 岡山突き落とし (1/2ページ)
電車が近づいてきたその時、プラットフォームで電車を待っている人を突然線路に突き落とす。なぜ少年はそんな恐ろしい行為に駆り立てられたのか。彼は何を思っていたのか、JR岡山駅で先月起こった突き落とし事件を、関係者の証言や少年の供述でまとめた。
刑務所に行ける
少年の心理状況を如実に表す言葉がある。
「刑務所に行ける」
岡山県警の関係者は、これを「現実逃避したい心理状況を表している」とみる。実際、産経新聞の取材に、大阪府内に住む少年の両親は切々と訴えた。
「あの子をあんな風に追いつめてしまって−」
「逃げ場がなかったんだと思います」
父親は事件直後には「何で、何でとしか思い浮かばない」と語っていたのだったが。
では、何が少年を追いつめたのか。彼はどこへ逃げればよかったのか。
行き場を見失い
平成7年の阪神大震災で被災。移り住んだ大阪では中学時代にいじめにあい、自宅から遠く離れた高校に通った。
進学時に父親も、中学の同級生のいない高校を選ぶよう勧めた。友人には「将来はガーデニングなど、自然にかかわる仕事がしたいから」と説明していたという。
進学後は成績が上昇。「医学部に行きたい」「電気関係の発明をしたい」。夢を語る少年に父親は「社会の役に立つ人に」と励ました。「めちゃくちゃされてきたから、仕返ししたる」。一度だけこう話すのを聞いたが、「そんなことしたらあかん」と諭すと、納得したように見えたという。
しかし昨年秋、少年は高校に進学断念を伝えた。「親から『貧乏だから、今年の進学は止めてくれ』と言われた」。直後の学期末試験の成績が落ち、高校は影響を心配した。
結局希望の大学進学はかなわなかった。
「お金を貯めて国立大学に進学したい」
父親にはそう話していたというが、街中で偶然出会った同級生に対しては「金が足りなくて大学に行けない。社会人になるために就職活動をしているけど、仕事が見つからなくて難しい」と打ち明けていた。
兵庫から大阪へ、遠い高校へと、なんとか難を逃れてきた少年は、大学という次の行き場を見失い、社会の壁に阻まれて逃げ場を失った。
「大阪を離れたかった」
刑務所が行くべき場所に思えたのか。