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【主張】米兵逮捕 地位協定の弾力的運用を

2008.4.4 03:21
このニュースのトピックス強盗事件

 米兵による凶悪犯罪が続いている。米軍基地の周辺住民らの不安や怒りは高まるばかりだ。

 この2月に沖縄県北谷町で米海兵隊員が女子中学生を暴行し逮捕されて以来、在日米軍は再発防止を掲げ、シーファー駐日大使も「遺憾の意」を表明して陳謝した。米軍には米兵への教育、指導の徹底を求めたい。

 神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地近くの路上で、東京都品川区のタクシー運転手が刺殺された事件は、同基地内で米海軍に脱走罪で取り調べを受けていたナイジェリア国籍の1等水兵の犯行の疑いが強まり、神奈川県警はこの米兵を強盗殺人容疑で逮捕した。

 同県警では、米兵に対する殺人容疑の逮捕状をとり、米軍に日米地位協定の運用合意に基づき、起訴前の身柄引き渡しを要請、米兵の身柄が警察にわたった時点で逮捕状を執行した。

 米兵は容疑を大筋で認めており、県警は殺人に至った経過や動機などを追及している。

 昭和35年に日本と米国の間で締結された日米地位協定は、米軍が米兵の身柄を拘束した場合、日本の捜査機関が起訴するまで米側が身柄拘束できるとしている。

 このため、米兵が日本国内で事件を起こし、米軍の基地に逃げ込めば、日本側としては起訴まで手も足も出せないのが実情だ。

 これでは、あまりにも不平等であり、米軍への日本人の感情を悪化させるだけだとして、平成7年の日米合同委員会の運用改善合意で、凶悪事件の容疑者については日本側が起訴前の身柄引き渡しを求めれば、米側は配慮することとされた。これ以外の犯罪でも、日本が重大な関心を持つ場合は考慮する−など、曖昧(あいまい)な表現ながら地位協定の運用を改善した。

 今回の事件では、殺人事件の発覚当初から、横須賀基地所属の米兵が重要参考人として浮かんだ。脱走罪で基地内で米兵を取り調べていた米軍は、「日本側の捜査には全面協力する」との立場をとり、神奈川県警への米兵の身柄引き渡しは、日米合同委員会の手続きを経て、比較的スムーズに行われたといえる。

 沖縄をはじめ、米軍基地がある各地では米兵による犯罪が後を絶たない。米軍は日本の信頼を得るためにも、今回の事件を契機に米兵の綱紀粛正に万全を期し、日米地位協定の運用でも柔軟で弾力的な対応に努めるべきだ。

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