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【独白・警察庁長官銃撃事件】(上)「秘密の暴露」凶行の全容、詳細に (1/3ページ)
《狙撃事件への関与については否定も肯定もしないということです。ただし、事件の真相については何びとよりも正確に述べることはできますから、それがおのずと『秘密の暴露』になるかと思います》
昨年11月、中村泰(ひろし)被告(77)から警視庁担当記者に届いた手紙には、便箋(びんせん)10枚にわたって犯行前後の詳細な状況がつづられていた。警察トップを狙うという日本の犯罪史上例を見ない国松孝次警察庁長官(当時)銃撃事件で、被告がいう「秘密の暴露」とは何なのか。
中村被告は手紙の中で、犯人を「狙撃手」「狙撃者」と表現している。
事件の2日前の平成7年3月28日午前8時過ぎ。狙撃手は国松長官が住む東京都荒川区のアクロシティEポート付近にたたずんでいた。下見は数日前から行っていたが、この日の光景はいつもと違っていた。
《スーツ姿の男2人がEポート前で長官を出迎え、そのままエントランスに入っていった》
地下鉄サリン事件、オウム真理教の教団施設への一斉捜索…。日本中が教団に対する捜査の行方を見守るなか、警察トップの警備が強化されたと考え、この日の犯行は断念した。
「(2人は)管轄の南千住署幹部と6方面本部の幹部で、あいさつ回りで立ち寄っただけだった。公表されているものではなく、警察内部でもほとんど知られていない」(警視庁OB)。その場に中村被告がいたことをうかがわせる証言といえる。
中村被告の独白に基づく犯行グループは少なくとも2人。「支援車両」の運転手だ。
平成7年3月30日は雨だった。狙撃手は午前8時15分ごろ、支援車両でアクロシティ南側に到着、下車し、長官公用車を待った。公用車が到着して待機に入ったところで、支援車両は現場から南西のNTT営業所(当時)に向かった。公用車が動き始めたのを確認し、狙撃手はあらかじめ用意していた自転車で移動、Fポートの植え込み付近に待機した。
《側方から2人組の男が出現したのに気づき、長官と秘書官であることを確認後、銃を構えて発砲した。秘書官は倒れた長官をかばいながら植え込みの陰に引きずり込んだ》
その後、自転車に乗って西へ逃走し、支援車両の待つNTT営業所に向かった。


