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【主張】生活保護費詐欺 行政対応の厳格な検証を

2008.3.2 03:37
このニュースのトピックス知能犯

 北海道滝川市の夫婦が生活保護費を不正受給していた詐欺事件で、北海道警が指定暴力団山口組系旭導会の事務所や倉庫など十数カ所を家宅捜索した。詐取金の一部がこの暴力団へ上納金として流れていた疑いがある。

 国民や市民の大切な税金が暴力団の資金になっていたというとんでもない事件である。道警は逮捕した夫婦ら計4人を厳しく追及して実態を早く解明すべきだ。行政もだまされるような落ち度がなかったのかを自らも検証しなければならない。

 生活保護受給者に通院で使用したタクシー代金が支給される補助制度を悪用し、1年半の間に約2億円にも上る生活保護費を滝川市からだまし取っていた疑いが4人にはある。

 市はなぜこのような不正を看過してしまったのか。市側に甘いチェックや杜撰(ずさん)な対応があり、そこをつけ込まれたからだろう。

 夫婦は自宅から札幌市内の病院まで(約100キロ)の通院で、介護タクシーの使用を求め、滝川市は病院の意見を聞いてそれを認めた。

 事件が発覚した昨年11月、滝川市保健福祉部は「特殊な装備のある介護タクシーを利用する場合、金額的に高くなるケースもあるため不自然とは思わなかった」と説明していた。

 しかし、高すぎる請求額を見て不正に気付かなかったというのはどう考えてもおかしい。

 職員が夫婦の自宅を訪問して病状や生活状態を調べるなどきちんとした審査を実施していたのだろうか。これも大きな疑問である。

 夫婦は自宅のほかに札幌市内に温泉付きマンションを借りて高級車を数台乗り回し、一流レストランでの飲食を繰り返していたという。道警ではこうした派手な生活に不正請求した生活保護費をつぎ込んでいたとみている。しかも夫婦は覚せい剤取締法違反(使用)の疑いでも逮捕され、夫の方は自ら元暴力団員と名乗っていた。

 生活保護制度そのものの信頼性を揺るがす事件である。厚生労働省は制度を悪用した同様のケースがないか調査を始めた。地域によって受給状況に異常なバラツキも指摘されている。一つ一つを検証し、制度に欠陥があれば早急に見直さねばならない。

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