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【主張】元親方逮捕 今こそ賢人会議の活用を
愛知県警は、大相撲時津風部屋の若手力士を制裁目的で暴行死させたとして、元時津風親方と兄弟子3人を傷害致死容疑で逮捕した。
事件が発生した昨年6月、警察は遺体にあざや切り傷があったにもかかわらず、親方らの「けいこ中に突然、倒れた」という証言をもとに病死と判断した。しかし、納得がいかない遺族の求めで解剖が行われ、暴行による外傷性ショック死の疑いが強まり、ようやく立件された。
初動捜査のミスで、逮捕まで8カ月近い時間を要した愛知県警には猛省を促したい。
大相撲界はこのところ、力士暴行事件に加え、八百長報道をめぐる裁判、横綱朝青龍の出場停止と不祥事が続いて風当たりが強まっており、「改革」が強く叫ばれている。
日本相撲協会は今月1日の理事会で、北の湖理事長の4選を無投票で決めた。改革について質問を受けた北の湖理事長は、「どこを変えろというのか。協会は透明な組織だ」と開き直り、元親方の逮捕にも「憶測では言えない」とそっけなかった。
もはや、相撲界のことは相撲界で、という論理は通用しない。協会は今回の暴行事件を受け、外部の有識者を含む再発防止検討委員会を発足させた。だが結論が出るまでには、まだ多くの時間がかかる。
今までにない危機に瀕(ひん)しているという認識にたち、抜本的改革に乗り出すときだ。相撲協会には既に、昭和32年9月に設置された運営審議会(運審)という賢人会議がある。
運審は、日本相撲協会の規約で、協会運営に関する重要事項について理事長に建議し、理事長はその意見を聞かなければならない、と規定されている。現在の会長は端田泰三みずほフィナンシャルグループ名誉顧問が務め、塩川正十郎元財務相、稲盛和夫京セラ名誉会長、経済評論家の堺屋太一氏ら政、財、学界の錚々(そうそう)たるメンバー9人が名を連ねる。
半世紀前に「第三者機関」を設置するとは、協会も先見の明があった。しかし、最近はあまり目立った活動がみられないというのが率直な印象だ。
北の湖理事長は一日も早く運審を招集し、大いに賢人の知恵を借りるべきときではないか。