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【主張】薬害肝炎 患者置き去りはもうご免

2007.10.24 03:19
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 厚生労働省が「個人情報はない」と説明していた関係資料が省内の倉庫から出てきた。患者本人を特定できる実名やイニシャルなどが記載されたものである。厚労省は何をしていたのか。

 一連の薬害C型肝炎問題で、厚労省は平成14年、血液製剤フィブリノゲンの製造元である旧ミドリ十字を継承した三菱ウェルファーマ(現・田辺三菱製薬)に対し、フィブリノゲンを投与した後のC型肝炎発症例の報告を求めた。同年8月、418人分の発症例リストが公表された。これが今回問題となっている。

 薬害C型肝炎はフィブリノゲンの投与が原因で起きた。フィブリノゲンは産婦人科を中心に止血に使われた。しかし、危険なC型肝炎ウイルスが混入していた。

 三菱ウェルファーマにはさらに多く患者を特定できる詳しい資料があったという。開いた口がふさがらない。

 こうした資料は舛添要一厚労相の指示などであらためて確認した結果、出てきたという。本当だろうか。責任を逃れようと、隠していたと疑われてもやむを得ないだろう。薬害エイズのときも旧厚生省は薬務局ファイルなど多くの資料を隠し、批判を浴びた。

 C型肝炎は早い時点で、ウイルスの感染が判明すれば、治療方法はある。だが、感染に気付かず、肝炎を慢性化させてしまうと、肝硬変や肝がんを患って死亡する危険性が高い。

 それゆえ「血液製剤で感染した可能性がある」との患者本人に対する早期告知が肝要なのだ。薬害C型肝炎訴訟の原告らも「早く情報が伝えられていれば、症状の悪化を防げた患者がいたはず」と厚労省の対応を批判する。

 告知を放置してきた厚労省や三菱ウェルファーマの責任は重い。国民の命と健康をどう考えているのか。

 4年前、厚労省は6500を超えるフィブリノゲン納入先の病院名を公表した。今回、舛添厚労相は「医師が十分に説明していない可能性もある」と述べた。医療機関にも責任はある。

 国は薬害エイズをはじめ、サリドマイド、スモン、クロロキンなど何度も、薬害を繰り返してきた。その度に行政責任や刑事責任が問われてきた。患者不在の薬事行政や製薬産業、医療はもうたくさんである。

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