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【産経抄】10月21日
このニュースのトピックス:守屋前防衛次官問題
防衛省の職員は制度上、自衛官の制服を着ているいないにかかわらず、全員が「自衛隊員」である。その自衛隊員を束ねていた守屋武昌・前防衛事務次官が出入りの商社幹部とゴルフを繰り返していた。何と100回を超えていたという。
▼商社とどの程度「癒着」があったのかはまだハッキリしない。しかし、ゴルフ場へは車で送り迎えしてもらっていたといい、ほとんど妻も一緒だった。しかもゴルフ場では偽名を使っている。本人も後ろめたかったようで、これでは疑惑を持つなという方が無理というものだ。
▼誰よりも怒って当然なのは、現場で汗まみれになり任務に当たっている自衛官たちだ。イラクで危険と背中合わせで復興支援に当たり、地震や水害の現場で救援活動をしていた時期にも、恐らくこの人はゴルフ三昧だったのだろうからだ。現場への裏切りである。
▼かつて大事件が起きたときに幹部と麻雀をやっていて処分を受けた警察本部長がいた。治安や安全を預かる組織のトップであれば、たとえ文官でもストイックな姿勢を求められるのは当然である。それができないのなら、疑惑を持たれる以前に失格といえる。
▼とはいえ、これを待ってましたとばかりの民主党などのハシャギぶりはどうだろう。早々と、守屋氏の証人喚問を求めている。テロ特措法との関連はなさそうなのに、これを葬るための「奇貨」にしようとの意図がありありだ。与党には厭戦(えんせん)気分すら漂っている。
▼インド洋での多国籍軍への補給活動は、日米同盟を軸にした日本の安全保障に欠かせない。これが「官僚の不祥事」で潰れるようなら、その罪は自衛官への裏切り以上に重い。だがそれを政争の具にしてしまう政党や政治家の罪はもっと深刻である。