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【断 さかもと未明】俗悪に染まらぬ魂を
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子供が親を斧(おの)で殺害する事件が起きた。斧をわざわざ購入して準備していること、連鎖して似たような事件が起きたことから、巷で言われるゲームコミックの影響が感じられるのは事実だ。
しかし、である。こういう事件が起きると必ず残酷描写のある作品が非難され、その放映や出版が自粛されるという経緯をたどるが、それで果たして問題は解決されるのだろうか?
残酷描写や過度の性描写が好ましいとはおもわない。しかし「人間とは何か」を問いかけるとき、そういう描写が不可欠なこともあるだろう。「ホラー」というジャンルも無論あっていい。表現や芸術がときに良識を打ち砕くのは当然のことなのだ。
年齢規制を設けるなど、送り手側が節度をもつことは大切だが、もっと重要なのは刺激に惑わされない子供を育てることだ。
私は小学校のとき、親にかなりの読書指導をうけた。「子供の時に読んでおくべき本」を選んでもらったのだが、いま思えばそれによって、よしあしを見分ける力をつけてもらった。不思議だけれど、真剣な読書に慣れれば、俗悪なものは不快に感じられるのだ。
現代のようにいくらでも情報に晒(さら)されてしまう時代だからこそ、親は子供が目にする情報を制限し、取捨選択してやる責任がある。臭いものに蓋(ふた)をしろとメディアにだけ任せても、むしろ染まりやすい子供ができるだけだ。それより俗悪なものに触れても染まらない魂に育てるべきなのだ。それにはまず、何より幼少期に良質な作品に触れさせることだ。それが現代に子育てする親の務めだと私は信じるのだ。(漫画家)